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良い姿勢は意識してはいけない!運動指導者の9割の人が知らない!?良い姿勢・正しい姿勢とは?

姿勢とは

 

「良い姿勢を意識しましょう!」
「正しい姿勢をとりましょう!」


このようなキューイングはよく聞きますが、、、
”良い姿勢”とは果たしてどのような状態か考えてみたことはあるでしょうか?

 

一般の方からしたら”良い姿勢”が何かわからないのにそのような言葉かけをされても混乱してしまいますね、、、

一般的に良いとイメージされている姿勢が、実は身体にとっては良くない姿勢だったりすることや、実際にお客様が求めている姿勢と健康的な姿勢が異なる場合が多々あります。

 

そしてこの”良い姿勢”を具体的に説明できる人って実は専門家でも意外と少ないんです。

 

というわけで今回は曖昧な表現になりつつある”いい姿勢”について掘り下げたコラムとなります。

 

良い姿勢の定義

 

誰しも一度は「胸を張りなさい」と言われたことがあるのではないでしょうか?

そして悪い姿勢というと、背中を丸めた「猫背」が思い浮かぶかと思います

 

猫背はもちろんその見た目も悪く、体にとっても負担のかかる姿勢となる為、基本的には良い姿勢とは言えません。

しかしその逆で胸を張った姿勢もまたいい姿勢とは言えません。

 

 

「じゃあいい姿勢ってなんなの?」

 

私の考える良い姿勢の定義として、、、

 

●『力学的に関節や関節周囲の組織に最も負担がかからない姿勢』
●『あらゆる方向に最も効率的に動ける姿勢』

 

これをわかりやすく例えると

・力のバランスが重力に対して均等に取れている
・長時間同じ姿勢でも疲れない
・常に体に負担のない動作を選択できること
・その状態が心地よいこと
・美的観点からも綺麗

この5点が獲得されていることが”いい姿勢”であると言えると考えています。

 

 

 お客様からよく相談されることとして、

「良い姿勢を作ろうとすると疲れる」とか、「無理をしないとその姿勢を維持できない」

というお話を聞きますが、それは本当の意味で良い姿勢を取れていないということです。

 

良い姿勢の簡単評価法

専門家が行う簡単な姿勢チェックの指標はこちら

姿勢をチェックするとき、私達専門家は骨を目印にチェックします。

 

横から見たときに、くるぶし、膝、骨盤(大転子)、肩(肩峰)、耳の位置が一直線上に揃っていて、背骨の生理的湾曲(背骨のカーブ)が整っており、かつ無理なく取れているのが理想的

 

と教科書的には言われていますが、、、

これは止まっている際の構造的に負担がかからず動きやすいポジションを示しているだけで動いているわけではありません。

人は動く生き物です。

動いている時に痛みが出なでないことや、パフォーマンスが高いことだけに着目するとこれは決して“良い姿勢”とは言えません。

 

 

言葉の定義の問題で少しややこしいですが・・・

 

たとえば、腰を反ったら痛い方は痛みを回避するために腰を過度に丸めたり、その競技特性によってパフォーマンスの発揮しやすい姿勢も状況に合わせて随時変化します。

 

つまり、

見た目の美しさだけが良い姿勢ではなく、正しい姿勢は1つじゃないということです。

 

 

美しい姿勢は体に良いのか?

見た目の美しさと姿勢について少しだけ掘り下げてみたいと思います。

 

見た目は「美しい姿勢」と思われることも多いのですが、先に述べた、理想的な姿勢の定義にある「力学的に安定して疲労しにくいか」と言われると、じつは背骨の生理的弯曲が失われ、背骨や身体にかかる負担が強くなっていたりします。

 

肋骨の位置なども本来の位置からずれてしまう為、背骨や肋骨に付着を持ち、呼吸にとって最も大切な筋肉である”横隔膜”が機能をしにくくなる為、呼吸にも問題が起きて、肩こり、腰痛、自律神経の乱れに繋がる可能性があります。

 

その為、過剰に胸を張った様な姿勢は、「見た目」は美しく見える可能性が高いけれど、代償的に腰を反り、身体にとって悪い姿勢とも言えます。

 

日頃から胸を張るという意識は特に必要ありません。

 

そして近年では姿勢と痛みの相関性も否定されています。
「姿勢が悪い=痛み」これは真っ向から科学が否定しています。

https://www.jospt.org/doi/abs/10.2519/jospt.2019.0610

教科書的な正しい姿勢を維持し続けることよりも、体を動かし続けることの方が良いとされていますよ♪

 

 

姿勢は筋肉で成立しているわけではない

最後に良い姿勢を作るにはどうすれば良いか?
姿勢に影響する原因について簡単に掘り下げて終わろうと思います♪

 

これは多くの専門家も誤解していることですが、、、
姿勢に影響する因子は筋肉だけではありません。

 

日頃から胸を張るという意識は必要ありません。
と前述で述べましたが、この言葉の真髄は本来姿勢は意識的に行われるものではなく、無意識に制御されるものだからです。

 

そこには絶対的に脳の経路が重要となります。

 

姿勢に影響する因子はこれだけあります。筋肉はその中の1つだけです。単に筋トレをするだけで姿勢が改善されないという方は他の影響から姿勢が崩れていることを疑ってみても良いでしょう。

 

簡単に解説すると、、、

 

姿勢は環境から様々な外的刺激が『表在感覚・深部感覚』として入力。
それが中枢神経系で制御され、運動器による”特定の肢位を保つ”という動きとして出力されているものになります。

 

つまり、筋肉の硬さも柔らかさもその結果であって、原因というわけではありません。
→これは姿勢を改善する上で最も大切なポイントとなります。

 

ピラティスでは感覚器に刺激を与えるエクササイズが豊富で、身体の機能性が上がり、自然と理想的な正しい姿勢が導きます。ぜひ長年変わらない不良姿勢にお悩みの方は当店までお越しください。