インスタグラムのDMや当店でも実際にお客様から
「姿勢を良くするには普段からどういう風に姿勢を意識したら良いのですか?」
というご質問をいただきます。
「姿勢を意識してください」
「正しい姿勢を意識しましょう」
このような声かけはよく聞くことと思います。
結論としてはこうです、
“姿勢を意識して治すことは不可能だから絶対にやらない方が良い”です
今回のコラムを読んだ方は今後一切それをしないでください。
「姿勢を意識しましょう」
とアドバイスすると、多くの人は良い姿勢を取ろうとして必要以上に努力してしまい、緊張して身体を固めてしまいます。
そもそも姿勢がどのようにして成り立っているのか、メカニズムを理解しているとこのような声かけは間違っていることに気付くはずです。
身体のフレームである骨格(骨と関節)により人は動作を行い、それが姿勢として現れます。
そして関節を動かすのは筋肉、筋肉に命令するのが神経(=脳)です。
難しい話はここでは割愛しますが、姿勢とは脳でコントロールされているものです。
意識的に姿勢を正そうとして治るものではありません。
なぜ姿勢は崩れるのか?
私たちは、不良姿勢にしようと思って姿勢が崩れているにわけではもちろんありません。
・背中が丸くなる(猫背)
・顔が前に出る(ストレートネック)
・肩が内側に入る(巻き肩)
など
その姿勢を望んで行っているわけではありませんね。
何らかの問題が起こり、その結果として、本人にとって都合が良いからその姿勢になっているのです。
ということは、「姿勢を正しく意識しよう」と思った時に、背骨を反らす、頭を後ろに引く、肩を外側に開くといったことをしても、結局のところ根本解決にはなりません。
※むしろ胸を張ろうとすれば代償的に腰が反ってしまう等の反応が起きてしまいます、、、
一見すると素人がみたら見た目はよくなっていても専門家がみるとただ悪い部位が変わっただけになっていることが多いんです。(※そうならない場合を見たことがないです。)
姿勢は脳からのアウトプット
姿勢は、何らかの影響で脳が作り出している結果(=アウトプット)にすぎません。
このアウトプットを変えるには、インプットを変えなければ変わりません。
例えば、本をたくさん読めば、知識量が増えて人とのコミュニケーションに読む前より円滑になりますよね?
体に良いものを食べれば、食べる前よりも健康な体に近づきます
これは、本を読むというインプットを増やしたからこそ、アウトプットであるコミュニケーションに変化が生まれたり、
このように、インプットが変わればアウトプットが変わります。
猫背になっているのは、結果(アウトプット)です。
インプットが改善されれば、自ずと、アウトプットとしての姿勢が改善されてきます。
インプットを変えるには脳の活性化が必要
インプットを変えるとはどういうことか。
ひとつは、脳へのアプローチです。
脳には、色々な情報を統合する役割があります。
ヒトは、常にあらゆる環境に適応するために主に3つの機能で情報を脳にインプットします。
・体性感覚(足裏から入ってくる情報で言えば、硬い地面に立っているのか、柔らかいマットの上に立っているのか)
・視覚機能(目から入ってくる情報で暗い場所なのか、障害物があるのか・・・)
・前庭機能(頭部の位置などから入ってくる情報で前に進んでいるのか、飛行機に乗っているのか・・・)
このような情報が脳で正しく処理、統合された時、アウトプットとしてその状況に最適な姿勢をプログラミングします。
もちろん、これは無意識化での反応です。
このように姿勢には、骨や筋肉だけでなく、脳機能(感覚システム)に働きかけるエクササイズを組み込むことがめちゃんこ大切というわけです。
ピラティスで姿勢が変わる理由
ピラティスがもっとも得意とするのが「動き方・姿勢」を変えることです。
不良姿勢になってしまうのは悪い動き方が脳に定着してしまっていることが原因になっていることがほとんどです。
※原因を変えない限り、姿勢不良は絶対に治りません。
ストレッチやマッサージでは動き方を変えることができません。
だからその場しのぎになってしまうのです。
ほとんどが対処療法となります。
一方で前庭機能、視覚、体性感覚の3つを同時に刺激するのが得意なのがピラティスメソッドです。
動き方を変えることは前述の通り「脳」を書き換えることになります。
これを専門的に「Motor Control」(運動学習)といいます。
- ピラティスで3つの感覚システムを同時に刺激する
- ピラティスで体にとって正しい体の動き方がわかるようになる
- 感覚刺激が脳機能を活性化する
- 無意識に姿勢をコントロールできるようになる
ということになります。
不良姿勢に困った時は脳機能、機能解剖学の学問に優れたスタッフがいるPADDLEにぜひお越しください♪