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姿勢矯正に整体・筋トレがオススメしない理由とは?メディアには出回らない姿勢の教科書

姿勢 改善方法

 

「私の姿勢は歪んでいるんです」
「姿勢の歪みで慢性的な腰痛、肩こりがあります」
「姿勢が歪んでいるせいでトレーニングしても体が変わらないんです」

 

当店に来られる方のほとんどがこのようなお悩みを抱えている方です。

※正確に言うと、「歪み」といった医学用語は存在しませんが、一般の方に伝わりやすいようにHP内では姿勢不良全般をまとめて「歪み」として表現しております。

 

『姿勢の歪み』と一言で表すのは簡単ですが、
一人ひとりでそれぞれの違った歪みと異なる原因をを拝見してきました。

 

  • 猫背
  • 反り腰
  • 肩甲骨の位置
  • 骨盤の前方シフト
  • O脚
  • X脚

結論、これらは筋肉が根本的な原因で歪んでいるわけではありません。

 

「筋肉が弱かったり、硬いから姿勢が歪んでいるんじゃないの?」

違います!答えは”脳”です。
そしてデスクワークが大きな影響因子です。

 

「えっ!脳?はじめて知った。けど内容難しそう、、、」

 

と思った方へ、分かりやすく書いたはずなのでぜひ今回のコラムを最後まで読んでみてください。

 

【なぜピラティスで身体の歪みが良くなるのか?】

→理解が深まり体に対する認識が180度変わります。

 

そして姿勢が変わります、未来が変わります♪

エクササイズの効率もグッと良くなります😀

 

人間は座って生きるために設計されてないよ

前フリ?前提?として、そもそも人間は座る作りに設計されていないよって話をしますw

「座ることは喫煙よりも体に有害だ」なんて海外では言われるくらいですからね、、、

 

最近では様々な研究が進み、「座位時間」の長さが健康への与える影響が、
あちらこちらで発表されるようになってきました。¹)

 

例えば、座っている時間が長い方はそうでない方の1.2倍死亡リスクが高まる、

他にも

  • 糖尿病
  • 高血圧
  • 腰痛
  • がん
  • 腰痛

のリスクが高まるなどという研究結果があります。¹)

 

特に日本人は欧米人に比べ仕事をしている時間も長いとされているため、
健康を害するリスクを無意識に背負ってしまっている可能性があります。

 

姿勢は環境にデザインされるもの

現在はコロナ禍の影響もあり、リモートが増え、デスクワークが仕事の中心となり、
更にはスマートフォンの普及によって、常にパソコンやスマートフォンなどを利用されている方がほとんどです。

 

そして、その様なライフスタイルが増加するにつれて、
身体の不具合や不調を抱える方が右肩上がりになっていることは数字で見れば一目瞭然です。

 

今回の本題でもある、なぜ姿勢が崩れるのか?

結論から言うと、「脳(脳幹)」によって姿勢は制御されているから

です。

 

これは身体のセンサーが働かないことが大きな理由です!

 

姿勢のメカニズム

私たちの姿勢は、「感覚器」と呼ばれる以下3つのセンサーによって状態を把握し、調整されています。²)

 

①体性感覚:主に筋肉や関節、皮膚に存在している。動きや位置、刺激など様々な情報を脳に伝えるセンサー

②前庭覚:耳の中に存在している。動きの加速や身体の傾きを感知し、脳に情報を送るセンサー

③視覚:外の情報を映像として脳に届けるセンサー

もっとも重要になってくるのは、①の体性感覚になります

 

座っている状態では、関節や筋肉がほぼ動かない為、
運動によって働くセンサーが機能せず、脳にも情報が行き届かなくなります。

 

では、情報が行き届かなくなるとどうなるのか?

 

脳には、

「ここに自分の体がある」
「ここに自分の頭部がある」

などという「身体所有感」や「身体地図(ボディマップ)」と呼ばれるものがあり、
自分の姿勢を無意識化にコントロールしています。

 

しかし、体性感覚として固有受容器が適切に働かなかったり
身体の傾きや加速、回転などを感じ取る「前庭」の機能が低下をしていると、
このような無意識的な姿勢のコントロールがうまくいかなくなります。

 

これが、デスクワーク中心の生活で起きる、猫背の原因の大きな理由です。

 

姿勢を司る司令塔である「脳(脳幹)」が前述の通り、
全身の筋肉の緊張状態や呼吸などを制御しています。³)

 

デスクワークの方だけではなく現代人のほとんどが
下記画像ような姿勢で座り続けていることから、決まった動作パターンしか脳にプログラムされていません。

 

 

結果として肩甲骨〜背骨〜骨盤〜大腿骨の

「適切な使い方」
「体の正中線」

が脳のプログラムから削除され、使わなくなった筋肉は弱り、硬くなってしまい
猫背やストレートネック、O脚、などという姿勢の歪みに繋がるというわけです。

 

そろそろ筋肉が原因で姿勢が歪むわけではないという冒頭の言葉がはっきり理解できてきたのではないでしょうか😀

 

筋力の弱さも硬さも結果であって原因でなく、
原因はデスクワークによる感覚器から脳へのセンサーが狂ってしまっていることにあるのです。

 

ですのでセンサーが正常に機能する状態を作って上げるための
エクササイズを優先することで根本から効率的に姿勢を正しく整うことが可能となります。

 

姿勢の歪みにはピラティスが圧倒的におすすめ

ここまで読み進めてくれた方はもうお分かりだと思いますが、、

ピラティスで姿勢がまっすぐ整うのはこの感覚器(センサー)を活性化させるエクササイズが豊富にあるからです。

 

ピラティス・エクササイズにより固有受容器と呼ばれる
身体全体のセンサーが活性化していき、無意識の中でも自分の姿勢が自然と整っていきます。

 

気づけば1日中座っているという方は、その生活が姿勢が崩れる第1歩です。

 

姿勢の歪みが気になるという方はピラティス・メソッドが有用です♪

 

<参考文献>
1) Effect of Underlying Cardiometabolic Diseases on the Association Between Sedentary Time and All‐Cause Mortality in a Large Japanese Population: A Cohort Analysis Based on the J‐MICC Study
2)Horak et al : The Balance Evaluation Systems Test (BESTest) to differentiate balance deficits. Phys Ther. 89(5):484-98. 2009.

3)VB Brooks: Ⅲ. Posture and locomotion in The neural basis of motor control. Oxford University Press, England, 140-150, 1986